浦安市議会(10)

千葉県浦安市の令和4年第3回定例会において10回目のNMRパイプテクターに対する一般質問が行われました(2022年9月21日)。
文化会館に設置されたパイプテクターは6月に取り外されましたが、市民プラザという施設に別のパイプテクターが取り付けられていることが判明しています。
文化会館の取り外し理由が「販売業社から科学的根拠が示されないこと」であるため、文化プラザの物品も同様な対応を進めていくようです。

議員

「要旨1 浦安市民プラザ101導入経緯」
これは6月議会で、あの、質問しようとしたらば、ちょっと市側の認識と私が情報公開で得た情報と食い違いがあった。
それで、あのー、もう時間切れになってしまったんですけれども。も。
えーっと、実は、大規模改修工事を、で、ウェーブ101の話ですよ。パイプテクター2台入れていると。これはわかったんですけれども。大規模改修工事入札を行うにあたり、入札参加事業者から31年4月15日付で質問が、質疑が出ていましたよね?
事業者「NMRパイプテクターは、その効果について不透明な部分がございます」と。「図面通り設置することで宜しいでしょうか?」と
要するに、工事入札に参加するにあたって図面を見せられて、屋上に2台設置しなさいという図面があったわけですよ。それを見て工事屋さんが「え?」っていうね。
これ、効果が不透明ですよと、こんなもの入れていいんですかっていう質問をしてたんですよ。
それに対して市側は「宜しいです」と、あの、入れて宜しいですという意味ですよね。一言「宜しいです」って書いてある。書いて終わっちゃってるんですけど。宜しいですという結論を出すに至るにあたって、どのような議論・検討。庁内でしたんですか? お示しください。

生涯学習部長

あのー、パイプテクターの、おー、導入につきましては、令和4年第2回定例会で答弁しました通り、文化会館での実証試験の数値から、数値改善・・・ああ、水質改善が見られため、大規模改修開示の基本設計の検討の段階で導入することとしたものです。以上です

議員

30年に、あのー、5月に文化会館でやった、あの検査結果が、水質検査が良かったと?
それだけを理由に「宜しいです」と。
ある意味専門家ですよ。工事入札の、工事屋さんですから。
こういう事例いっぱい知っているはずですよ。全国に、これ大手さんですからね。あの、落札社が業者さん。本当に入れていいのという疑問があったのに、あの、文化会館でやった、あの検査結果が良いから、良いですという、非常におかしい。
というのは、2年前に調査してるじゃないですか。じゃあ何なんですか、あの調査は。
ふつうこういう質問が、質疑が出た段階で調べる。すでに入れている自治体あるいは、あのー、会館とかに調査をかけているんですよ。2年前の8月、7月に。
この段階で、この質疑が出た段階で調査をするならわかるんですけれど、入れた後に、工事完成して、リフォームが終わって、市民が使えるようになった後に、2年前の7月〜8月に調査をかけるというね。なんでそういうことしたんですか?
全然時期が違いますよね
お答えください。

生涯学習部長

あの〜、市民プラザにパイプテクターを導入した後の視察につきましては、その、設置した施設の状況を確認するという目的で行ったものです。以上です。

議員

結構たくさんの機関に対して、直接見に行ったり、あの、文書で、あの調査依頼したりしてるのがわかったんですよ
なんで。なんでそんな、入れた後にやるの?という。浦安っているのは本当に、ずれてる。やることが、一言で言って
とても納得できない。今の答弁は。

それはそれで結構です。
えーっと、それでは工事事業者は入札をして、2台入れたんですか?
そこ、あの、通告してありますので、答弁お願いいたします。

生涯学習部長

えー、市民プラザのパイプテクター2台につきましては、大規模、おー、改修工事一式に含まれておりまして、業者・・業者がいくらで購入したか、入札したかについては把握しておりません。

議員

あの、ヒアリングの時に「聞いてください」と。聞いてくれたんですか?
聞いたけども教えてくれなかったのか? というのはこれは、定価で入れたのか、あのー当然、入札とかしてくれると安く入るわけですよ。
そうするとそれが入札に参加する時に、金額として安い金額を提示できるわけじゃないですか?
それで、私、あの〜、建築の専門家に色々と質問したらば、こういう事例の場合、入札すると。
少しでも安いものをね、入れて、工事をやるためにね。入札するのは当たり前ですよ、って。
民間でも入札するんだっていう説明を受けております。
それを、市は聞いてくれてないわけですね?
入札をしたのか、いくらで入れたのか、定価で入れたのか、定価より高かったのか? それも分かんない、把握していないって事ですか?
なんと無責任な。そういう事ですか?

生涯学習部長

えー、繰り返しになりますが、業者がいくらで購入したか、入札したかについては把握しておりません

議員

把握してないと? 通告しておいたのに。
把握していないという答弁、よくできますね。恥ずかしくないんですかね。通告したのに。

それでは次。えーっと「今後の対応」ですけども。も。
実は、これは6月議会でも、私、まあ要望でペラペラッと早く言ってしまったんですけども。分解したら特許の内容とは異なっているとの動画が流れております。
これは、あの、ヒアリングの時「見てくださいね」と担当者にお願いしました。
そしたらもう何回か見ていると。「もう一回見てくださいね」っていう、そういうやりとりをしております。

それで、あの、お伺いいたします。
ウェーブ101にもうすでに、いくらで買ったか分からないけども、入っている2台は、これは特許通りのものなんですか?
実は、特許と違うものが出回っているよというのが、動画で出ちゃってるんですよ。
というのは、物理の専門家も、弁護士も立ち会って分解しちゃったんですよ。
そしたら、特許通りのと違うと。だから、浦安が購入したウェーブに入れてる2台は特許通りなんですか? それは証明していただけるんですか?
お答えください。通告してありますから。

生涯学習部長

えー、市民プラザのパイプテクター2台につきましては、あのー、品番の書かれた設置証明書 兼 製品保証書が提出されております。以上です。

議員

あのー、動画で流れてるのも、同じようなもの付いてたはずですよ。
でも、実際分解したら違ったんですよ。違ったんですよ。
それで、あの動画が嘘だと言うのであれば、この会社は名誉毀損か何かで、動画作成者を訴えるんじゃないんですか? そういう動きは今のところないみたい。
放置して、動画流れっぱなしですよ。
担当の方、今の部長さん見ていただけましたか? 通告したんですけれど?
あの動画、ご覧になっていただいているんですか? 分解した動画です。

生涯学習部長

あのー、見ております。

議員

ご覧になって、浦安の2台は大丈夫かなっていう心配はなかった、抱かなかったんですか?
何かが付いているから、ウェーブに付いているのはね。
製品証明書とかあるから大丈夫だと。
それで市民に自信持って説明できるんですか?
市民から「浦安のは大丈夫ですか? 特許通りのものですか? もし特許通りのものじゃなかったらどうするんですか?」って質問が来たとき。
それでは会社に聞いてくださいよ。
証明書を出させればいいじゃないですか。特許通りのものですと。

あるいは、直接乗り込んで、見に行けばいいんですよ。
特許っていうのは、どういう形で特許を取っているかっていうのも、これもう公開されていますから、その図面を持って現場を見に行ってください。答弁してください。
市長が行くのは、行かれるのはお忙しいと思うから、部長でもいいですよ。
課長でもいいですよ。
現場見に行ってくださいよ。作られている、そこの場を、見に行く。当たり前ですよ。
市民のお金でみなさん買っているんですよ。それで、こういう疑問が投げかけられている以上、放置しておくなんて無責任すぎると思いませんか?
あの動画がなければ、私ここまで強く言わないですよ。
特許通りのものじゃないんだっていうことが暴かれちゃった。
そしたら当然、浦安は、特許通りのものじゃないものをもしかしたら買わされているかもしれない。そういう疑問抱くのは足り前じゃないですか?
行っていただけますか? 答弁お願いいたします。

生涯学習部長

あのー、ネット上と言いますか、動画において、えー、出てる、うー、情報が、あのー、さまざまある中で、それが、あの、正しいとか、ま、おかしいとか、そういう判断については、あのー、この場で、えー、できないと、いうふうには思っておら、思っております。
えー、私、我々としてみれば、その、えー、契約をし、そこの契約相手先の会社から、その、品番の書かれた設置証明書なり、その、保証書というものがついている。それを信用すると、いうとこでございます。

議員

だって、あれはあの会社が出した、書いたものじゃないですか。
市が決定的に、文化会館に入れなかったのは、学術論文ちょうだいと。
どこの大学なの、どの先生なの、それを教えろ教えろと、何度も迫って出てこなかったんですよ。
第三者の客観的なものが。

売ってる会社が出すものは、第三者が客観性があるとは言えないんですよ。
だから、なんで見に行かないんですか? 現場を。
近いんじゃ・・東京だって聞いてますよ。住所は。
行くのはそんなにマズいんですか?
現地を見せてくださいと、「何か議員が議場で言ってるから確認に来ました」と。
それで、設計図・・「特許通りのものができてないという動画があるけれども、大丈夫ですか?」ってなんで聞かないんですか?
あの動画が嘘だってことですか?あの動画には物理学者も弁護士も立ち会って、顔出てますよ。あの二人に電話して聞けばいいじゃないですか?
あんたたち、嘘の動画流したんですか? と。
それくらいのこと、市はやるべきですよ。市は、まあ、いくらでこれ買ったのか、最終的に入れたのか分かんないんだけども。市民の税金がうごいている話なので。
もう一回お願いいたします。答弁ください。
同じ答弁だったら結構ですけど。

生涯学習部長

あのー、その動画が、あの、間違ってるとか、あのー、合ってるとか、そういう話ではなくてですね。 我々としてみれば、そのー、じ、えー、試験を行った時に、その水質検査が、あの、下がってきたと、下がってきた、そこを以て、当時はそれで導入しようと、当時はそういう判断をしたというところです。以上です。

議員

数値の話になりました。私も数値の話を今日しなくちゃならないと思っていました。
ビフォーは1回しかしてないですよね。ビフォーの機械を取り付ける前ですよ。
アフターは何回かしてて、数値に変化がある。
たった1回のビフォーですよ。数値をもとに、やれ低いの高いのっていうね、それが科学的と言えるんですか?
浦安市の職員さんは、そんなレベルなんですか?
科学の世界でものを語ってくださいよ。
だからビフォーも、なんどもやって、絶対・・・

座長

議員、質問に入ってください

議員

(絶対に)変化があります。その平均値を取るのが普通なんですよ。
それで、アフターは何度もやって、特にウェーブの方はかなり変動がありますよね。要するに、アフターに変動があるってことはビフォーも変動があったんじゃないですか。
ですから、ビフォーの1回の数値を元に、これを基準に結果がいいのなんのって言うね、その考え方、その答弁そのものがおかしいんですよ。
それは去年の9月の議会で、で、これは市長答弁が議場で、あのー、出てきたんですけれど。今でもその答弁は変わらないんでしょうか?
えーと、9月22日です、1年前の。
えー「水質検査では良好な数値が確認されました」と、あれは良好って言えるんですか? お答えください

生涯学習部長

あのー、パイプテクターの導入前の水質検査につきましては、当時は1回行えば良いというふうに判断しました。
えー、なおその導入後の水質検査の数値につきましては、導入前の数値と比較したところ、先ほど申してる通り、下回っているというところです。以上です

議員

はい。ハイハイ。

座長

時間です

議員

あのー、ホームページでね、とんでもないこと書かれているので、削除要求してください。

話が噛み合わない

ヒートアップする議員と、当事者意識の薄い部長の会話に、要点を掴むのが大変でした。
「議員はなぜここまで怒っているのだろう?」という気もしましたが、会話を拾っていくと、かなりの爆弾発言が含まれています。
議員は、表に出していない決定的な情報を握っているのではないか?とまで想像してしまいます。

爆弾1 (工事業者の疑問の声を生涯学習部が黙殺した)

市民プラザの入札時に工事業者から
「NMRパイプテクターは、その効果について不透明な部分がございます」
との質問が寄せられていたことが、今回の答弁で明かされました。
工事業者の適切な疑問を生涯学習部が不自然に黙殺した背景は、追求すれば大きな爆弾が出てきそうです。

工事業者の言う「効果に不透明な部分」とはオブラートに包んだ表現であって、工事業者は入札時点で「効果はない」と判断していたのでしょう。
つまり、公文書に残る会議で工事業者が「不透明です」という中途半端な情報だけを出すとは考えにくく、「なぜ不透明か?」と聞き返されたときのために、工事業者は「ニセ科学トラブル」を説明できる知見を持っていたと考えるのが自然でしょう。

もし、「不透明」質問に対して生涯学習部が適切な疑問を発していれば、文化会館や市民プラザの設置計画は「抜本から見直し」できていたのではないでしょうか。
せっかくの進言を生涯学習部が黙殺したのは単に不注意だったのか、それとも導入することが既定路線だったのか、今後の解明が待たれます。

爆弾2 (市民プラザに設置されているのは「偽造品」の可能性)

大学教員らによる「分解ビデオ」が議題に上がりました。
ビデオでは「少なくとも10年前から、メーカーは特許と異なる製品を納品している」との考察が挙げられています。
地方自治体が1本のYouTubeで右往左往する必要はないと思いますが、これまでの活水器メーカーへの調査経緯を見ていれば、納品物に「疑問」を持つには十分でしょう。
そもそもメーカー社長が「科学的根拠を示すには至っていない」と、製品の信頼性が根本から揺らぐような発言をしているのですから、製品説明の不明点や、水質検査の実験デザインの不適切さなど、根本に立ち返った考察が必要です。
この期に及んで「実験で数値が下がった」という小手先の議論しか出来ないのであれば、担当部署は理解力が欠如しているか、不都合な事実から目を背けたいかのどちらかでしょう。

議員の強気の発言を見るかぎり「市民プラザ設置品の分解検査」は十分に可能性がありそうです。
実際、浦安市には納入品を分解検査するための規則も存在します。
担当部署は「分解」されることを前提に、答弁の方針を見直したほうが良いのではないでしょうか。

爆弾3 (生涯学習部の不自然な「視察」)

議会では「平成」「令和」「2年前」と様々な表記が飛び出して、時系列を把握するのが大変でした。
この経緯を開示請求の文章から辿ると次のようになります。

  • ・2018年6月 文化会館にパイプテクター2台設置
  • ・2018年7月 文化会館で1回目の「効果ありデータ」が出る
  • ・2019年2月 文化会館で2回目の「効果ありデータ」が出る
  • ・2019年3月 工事業者からの「効果に不透明な部分」という質問を黙殺
  • ・2019年12月 「市民プラザ」のパイプテクター導入に関わる入札実施
  • ・2020年2月 「市民プラザ」にパイプテクター2台設置
  • ・2020年3月 「文化会館」のパイプテクター購入予算が可決
  • ・2020年6月 市議会でパイプテクター導入に疑問の声
  • ・2020年7月 生涯学習部が市外のパイプテクター設置施設に文書請求
  • ・2020年8月 生涯学習部が市外のパイプテクター設置施設を視察
  • ・2020年11月 生涯学習部がメーカーと打ち合わせ、2021年5月の論文発表との回答を得る

つまり、2つの施設にそれぞれ1千万円以上の装置を導入するにあたり、判断の根拠は活水器メーカーお手盛りの「効果ありデータ」だけだったのです。
本来は工事業者から「不透明」質問が出た時点で第三者の意見を求めるべきでした。

配管工事の素人が、断熱材の外側から装置を眺めて、一体どのような判断が行えるのでしょうか?
また、この「視察」時点では、生涯学習部はTV番組「田村淳の訊きたい放題!」を閲覧済みのため、メーカー社長の「(装置に科学的根拠は)ない」との発言を承知しています。
メーカー社長の不審な発言が元で装置の効果が疑われているのですから、建設的意見と反対意見の両方を聴取するべきでしょう。
専門家に話を聞かず、素人が設置施設を見るだけというのでは、反対意見から目を背けたと批判されても仕方ありません。

生涯学習部長の答弁は如何にも不自然なのですが、前後の情報をつなぎ合わせると、生涯学習部が組織的に「導入ありき」で行動していたかのような痕跡が窺えます。

爆弾4 (メーカー製造現場の視察)

前回の市議会でも出た「浦安市によるメーカー視察」が再提案されました。
メーカーが自治体と取引する以上は、発注者の視察を拒む理由はないでしょう。拒否するのであれば「仕様通りのものを作っていない」との疑惑が深まるだけです。
一台で一千万円近くするという装置がどのような工程で作られ、原価はどの程度なのか、それを知ってなお生涯学習部が「判断を変えない」ことはないだろうと期待します。