内閣委員会(1)

山本衆議院議員

衆議院自民党所属 神奈川四区の山本朋広です。
今日は貴重な質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
早速ですが、今日は警察の方にも来ていただいておりますけれども、
"NMRパイプテクター"というようなものについて質疑をさせていただきたいと思います。

これはちまたで疑似科学とかエセ科学とかトンデモ科学だとかいろいろ指摘をされているようなアイテムでありまして、水道管、配管に外付けで設置をしますと赤サビが減少したり、あるいは赤サビが黒サビに変わったり、あるいは電源を入れてなくてもずっと動き続けるとか、かなりびっくりするようなことを謳っているようなものでありますが、こういったことで困ったこと、あるいは事件になっているとか、警察に訴え出ているとか、そういったケースは全国で見受けられるのでしょうか?
警察庁にお尋ねをいたします。

警察庁 檜垣生活安全局長

お答えいたします。
個別具体の相談の有無、内容等につきましては、ちょっとお答えを控えさせていただきます。

山本衆議院議員

訴えがあるのか、事件があるのか、捜査が進んでいるのか、そういったものは個別案件なのでなかなか答えにくいだろうとは思いますけれども。
今回この質疑を通して色んなことを事実関係を明らかにしていきたいと思っておりますので、最終的には警察のマターだと私は思っていますので、警察庁の方に質疑をきちっと見ていただいて、聞いていただいて、最終的にしっかりとした答弁をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

で、このエセ科学だと言われているような、本当に効果があるかないかよくわからないような、こういった代物が、どうも防衛省、自衛隊あるいは外務省また国交省で導入をしているような指摘がございますが、
果たしてそういったものを本当に導入をして設置をされているのか?
また、そういったものをどういう経緯で設置をされたのか?
なぜ設置をしているのか、そして、果たして言われているような効果があったのか、なかったのか、お答えいただきたいと思います。

議長

何方がお答えになりますか?
一人一人挙げてもらっていいですか

外務省 志水大臣官房長

お答え申し上げます。
外務省におきましては在モンゴル日本大使館、在英国日本大使館、在米国日本大使館の計三つの在外公館で設置されていることを確認しております。
これらは各在外公館におきまして配管の中の赤サビ対策を検討していた関係から試験的に設置されたものでございます。
設置の効果につきましては、外務省としての検証は困難ということでございまして、
効果があるともないとも、確定的にお答えを申し上げることができないことを御理解いただきたいと存じます。

国土交通省 平田大臣官房総括審議官

お答えいたします。
国土交通省におきましては、国土交通大学校において設置されていることを確認しております。
設置の経緯、設置の理由につきましては、文書の保存期間を経過しており、既に導入経緯を記した文書がなく、その経緯を確認することができておりません。
また、この機器を設置したことによる効果の有無についてですが、これまでのところ検証したことは確認しておりません。
以上でございます。

防衛省 扇谷大臣官房施設監

お答え申し上げます。
御指摘の製品の設置につきましては、自衛隊施設では陸上自衛隊秋田駐屯地、神町駐屯地、防衛医科大学校の建物におきまして、現時点までに確認されているところでございます。
また、これら製品の設置経緯やその理由につきましては、設置から相当の年数が経過しておりまして、関係する文書も既に保存期間を経過しているということでございまして、正確に確認することは困難でございます。
また当該製品の効果につきましては、防衛省としては企業から公表されている内容以外、これは把握しておりませんで、その内容を改めて検証する立場ではございません。

山本衆議院議員

外務省は試験的に導入したんだということで、国交省、防衛省は導入の経緯がもう古いのでよくわからないと。
三省ともに今の答弁ですと、効果の有無はよくわからないということだったと思います。

この効果がよくわからないものでありますけれども、このパイプテクターの話を、私しますと、多くの方が「電車の中の広告を見た」というようなお話が多くありまして
「イギリスのバッキンガム宮殿に導入されている。なので大したものなんだみたいな、そういった広告をよく見かけました」
いうようなお話を伺うのですけれども、はたしてこのバッキンガム宮殿に本当にこういったものが設置されているのかどうか、外務省、御存じであれば教えてください。

外務省 志水大臣官房長

お答え申し上げます。
御指摘の日本システム企画社のウェブサイトにおいて、英国バッキンガム宮殿においてNMRパイプテクターが設置された旨が記載されていると承知しております。
他方におきまして、外務省としてそのような事実関係があると確認しているわけではございません。

山本衆議院議員

外務省としては個別具体的なものなので承知をしていないと、確認していないということでありました。
よくわからないなというところでありますけれども、
こういったよくわからないものにもかかわらず、今年防衛省、自衛隊は一般競争入札で、どうもこのパイプテクターになるものを導入しようとしていたようでありまして、資料で配布をさせていただいておりますけれども、一般競争入札の仕様書の中で特記事項としまして
「配管保護装置の規格は以下の通りとして新品とする。日本システム企画株式会社PT-125DS。NMRパイプテクター125D、または上記製品と同等以上の性能を有すると官側が認めた製品。すなわち5度から50度の水に対し鋼管越しに水と非接触でゼーマン分裂を起こせる磁場を生じる品質の磁石を内蔵し、無電源で核磁気共鳴を生じるに十分な電磁波を黒体放射により供給可能な製品で、呼び径125Aの配管用炭素鋼管管に装着するものとする」
ということで一般競争入札をされたと、しかし取り消されたと伺っています。
この仕様書を見ていますと、どう考えてもパイプテクター以外あり得ないんじゃないかというような特記事項になっている一般競争入札で、
にもかかわらず競争入札を取り消されたと。
これはちょっとどういうことなのかなと。
このパイプテクターを販売されている日本システム企画株式会社さんのホームページには「自衛隊入札について」ということで
「商品名と企業名を記載することは一般競争入札の規則に反しているという指摘があり、入札は取り消しになりました」
と明記されているんですが、これは本当のことでしょうか?
防衛省よろしくお願いします

防衛省 扇谷大臣官房施設監

お答え申し上げます
御指摘の入札は老朽化した配管の赤サビによる詰まりを改善することを目的といたしまして本年1月19日に練馬駐屯地におきまして入札の公告を行ったものでございます。
この入札は一般競争入札でございまして、特定の製品を例示した上で装置を設置。配管に取り付ける仕様としておりましたけれども、同時に同等の製品も可能とするということから、必ずしも当該製品のみに限定していたものではございません。
しかしながら、本件に関する各種報道等を受けまして、赤サビによる詰まりを改善する目的を達成するためにどのような方法が適切なのか、練馬駐屯地において改めて情報収集を行う必要があると判断したことから、本年1月24日に入札の公告を取り消したところでございます。

山本衆議院議員

今の答弁を伺っていますと、パイプテクターだけを決め打ちしたわけではない。
さらに効果もよくわからないので一旦赤サビ防止のために何ができるのかもう一度検討したいので、入札を取り消したという御答弁でしたが、
どうもこの日本システム企画株式会社さんはそうは思っていないようで、ホームページに
「防衛省はNMRパイプテクターのこれまでの自衛隊施設への導入実績や効果検証結果を総合的に判断してNMRパイプテクターの使用を希望し」
というふうに明記をされています。
防衛省は総合的に検証して、結果、パイプテクターの使用を希望されたのですか?

防衛省 扇谷大臣官房施設監

防衛省といたしましては当該製品について企業から公表されている内容以外は把握しておりませんで、その内容を改めて検証する立場にはございません。
また本件入札は一般競争入札でございまして、特定の製品を例示してはいるものの、同等の製品も可能としていることから、必ずしもこの製品に限定したものではございません。

山本衆議院議員

役所の答弁の仕方なのでなかなか伝わりにくいかもしれませんが、簡単に言うと希望していないと。
希望していないものを希望していたように、平気でこういうホームページで書くというのはいかがなものかなと思うんですけれども。
さらにこの社のホームページにはいろいろ書いてありまして。
例えばですけれども
「日本のみにあらず多くの代表的行政機関で防錆効果が検証されている」
というふうに書いてありまして、その中には
「NMRパイプテクター防衛省で21年前より効果検証がされており、現在も陸上自衛隊、海上自衛隊、防衛医科大などで使用されています。国土交通省では国交大学校、外務省では複数の在外日本国大使館などで効果検証の報告書が出されています」
というふうに明記をしていますけれども、
防衛省、国交省、外務省、効果検証の報告書を出されているんでしょうか?
お答えください。

外務省 志水大臣官房長

お答え申し上げます
外務省として効果の検証報告といったものを出しているわけではありません。
他方におきまして日本システム企画社は一部在外公館について同社独自の水質検査に基づく報告書を作成していると承知しております。

国土交通省 平田大臣官房総括審議官

お答えいたします。
国土交通省が効果検証の報告書を出したという事実は確認しておりません。

防衛省 扇谷大臣官房施設監

お尋ねの件につきましては、先ほども答弁申し上げましたとおり、防衛省としては当該機器につきまして、企業から公表されている内容以外は把握しておらず、その内容を検証する立場にございません。

山本衆議院議員

三省とも検証結果の報告書は出していないということでありますけれども、この社はさも三省ともに検証結果を出しているかのように報告をしていると。
もう一度防衛省確認ですけれども、このホームページ上で
「現在も陸上自衛隊、海上自衛隊、防衛医科大学校などで使用されています」
と書いてありますが、先ほどの答弁ですと海上自衛隊にはないんだろうと思うんですが、いかがでしょうか?

防衛省 扇谷大臣官房施設監

お答え申し上げます。
先ほども自衛隊の使用実績についてお答えした通りでございまして、海上自衛隊については現在確認しておりません。

山本衆議院議員

かなりこの社がホームページで書いていることが事実と一致していないという状況が、この質疑の中でも相当分かってきたと思います。
この社はなかなかきちっと営業されているようで、パンフレットなんかにも私手元にはあるんですけれども、このパンフレットには国交省のNETISに登録されている新技術活用システムだという。もっともらしくマークまできちっと書いて「国交省登録装置」であるというふうにこのパンフレットで謳ってあるんですが、このパンフレットにあるようなNETISのこういうロゴマークみたいな分かりやすいこういうマークというのは、国交省の方でこの制度上用意されているんでしょうか?

国土交通省 林大臣官房技術審議官

お答えいたします。
国土交通省の新技術情報提供システムNETISは公共事業等において新技術の活用を促進するため新技術に関わる情報の共有及び提供を目的して整備しているデータベースです。
技術開発者側から申請された効果などの情報を広く設計担当者のみに触れる状態にして、現場での活用を促し課題を洗い出して技術の改善を促すという好循環を目指しています。
国土交通省のNETISにおいては、国交省登録装置という呼称は定めておらず、またNETISに登録されていることを示すマークは定めておりませんが、委員御指摘の製品についてはNETISに2010年12月から2016年4月まで登録されていたことは事実でございます。

山本衆議院議員

そういった表記は定めてもいないし、マークも設けていない。
それを一生懸命パンフレット、チラシに記載を、この社は独自に工夫してやっていると、相当またこれも事実と違うのかなというふうなことを感じざるを得ないわけです。
今日は消費者庁の方にも来ていただいて消費者保護の観点からもお尋ねをしたかったんですが、残念ながら時間がまいりましたので、またパイプテクターの問題を引き続き機会をいただいて質疑させていただきたいと思います。
最終的には警察マターだと思っておりますので、警察庁も引き続きよろしくお願いします。
以上で終わります。ありがとうございました。