契約書の問題

本装置を購入したというマンション住民から契約書の写しが提供された。複数の住民から同じ内容が提供されたので信憑性は高いだろう。
これまで指摘されてきたように保証内容が「10年間の交換保証」と「1年後に1度だけの返金保証」の2種類であることが確認できる。

  • 第6条の記載(交換保証)
    • 「設置日より10年間」と頼もしい保証に見えるが、ここで保証されているのは「製品の交換」である。すなわち、製品に効果がないと分かっても交換するだけであり、意味のない内容に見える
    • 交換の条件が明らかに不自然である。配管内のライニング不良によるサビは対象外とされているが、業者の説明を信じるならブリスター現象も防錆できるのではないだろうか? また「異種金属間接合部からの漏水」も保証対象外とあるが、これも業者の「原理」が正しいなら防錆できるはずではないだろうか。
    • 塩ビライニング工法におけるメジャーな劣化要因を「保証対象外」とした交換保証は、事実上交換が受けられないと読める。

提供資料を元に再構成(特定を避けるため送り仮名等を変更している)

  • 第7〜8条の記載(返金保証)
    • 「効果がなければ返金」は魅力的な売り文句だが、返金条件が厳しく、返金は事実上受けられないのではないだろうか?
    • 業者のいう「返金事例はゼロ」とは、「効果があった」を意味するのだろうか。それとも「効果がなくても返金は受けられない」のか、契約書を熟読する必要があるだろう
    • 第7条によると、効果判定は1年後に1度受けられるだけで、返金の機会はこの時に1度あるだけである。また返金条件は「閉塞率の改善」なので、赤水や漏水が発生しても「閉塞率」という基準さえ満たせば返金がされないという内容であることに注意されたい
    • 測定方法は内視鏡による写真判定とのこと。わずか1年で目視できるほどの効果が現れるのだろうか? 効果があったとして「1ポイントの改善」は改善したと言えるのだろうか。一般にそれは「誤差」と解釈されると思われる

提供資料を元に再構成(提供者の特定を避けるため送り仮名等を変更している)