浦安市議会(5)

千葉県浦安市議会の「令和3年第2回定例会」において5回目となるNMRパイプテクターに対する一般質問が行われました。(2021年6月22日)
浦安市では2020年に市民プラザWave101にNMRパイプテクターを導入済ですが、これは設置後の鉄分値が安定せず、効果が出ていないのではないかと質問を受けています。
また、2020年秋に文化会館に設置予定で予算を確保していましたが、一般質問を受けて2021年に予算が見送りになっています。こちらは購入前ですが実験的に設置されており、設置後に鉄分値が下がったという報告書が上がっています。
但し2つの設備では採水方法がJIS基準に従っていないため、数値自体の信頼性に疑問を持たれています。

なお、導入担当部署の生涯学習部長は2020年度末で定年退職したらしく、今回から新しい生涯学習部長が答弁に立っています。

疑問点まとめ
  1. メディアで非科学的な装置だとして問題視されている。社長自らがTVで「原理はない」とまで言っている
  2. 浦安市:問題となっている認識はない。装置の実績・効果を検証した上で導入を決めた
  3. 2000万円以上のものを入札せず随意契約にすることは不適切ではないか
  4. 浦安市:実証実験で設置しているものを購入するので随意契約
  5. 効果があったというが、実験デザインそのものが不適切で効果を検証できていない
  6. 浦安市:検査は第三者機関で行なっている(編注:サンプル採取時にコンタミが起きているので、それを外部機関で検査しても数値は無意味)
  7. 2020年購入予定を2021年に繰越した理由は?
  8. 浦安市:水質検査の結果と、学術研究の発表を待って判断するため

議員

件名2,パイプテクターの取り扱いについてこれは約1年にわたって毎回議会で取り上げざるを得ない事態になっていると私は思っております。
こんなに根が深いとは思わなくて、1回2回議会で取り上げれば市側は撤去をしていただけるんではないかなぁと思ったんですけど、その兆しが見れないので再度通告させていただきました。

え〜、昨年9月議会で市長がこのようにご発言されました。
「文化会館での導入につきましては文化会館での実証実験及び市民プラザ設置後の水質検査等に今少し時間をかけて、その後経過観察をして参りたいと、ご理解下さい」
とのご発言でした。それでこうゆう発言を受けて実証実験や水質検査が行われてきたと思うんですけれど、市側はそもそもですね
要旨1、検査結果 細目1、性能保証数値、確認させてください。この、この機械の性能保証数値と言うのはいくつ、数値で言うといくつと市側は認識しておるんでしょうか。

生涯学習部長

性能保証数値についてでございますが市民プラザに設置したNNRパイプテクターの製品保証の特約事項において効果測定目標値については設置前の全鉄値14mg/lの半減7mg/l以下とし、また製品保証期間10年経過後の数値目標につきましては全鉄値1mg/l以下となっております。以上です。

議員

今の数値はいつ市は把握しましたか。いつ、大変な問題ですよ、これは。あの〜昨年の2月に市民プラザですね2月の6日に設置しております。そしてその時に設置証明書兼製品保証書、これ私、情報公開で手に入れて持っていますが、これを交わしております。令和2年2月6日
これは交わしております。 今おっしゃった数値目標いつ問題の会社は出してきたんでしょうか、お答えください。

生涯学習部長

え、こちらにつきましては、えー、ちょっといま、あの〜、明確な、あの〜日付を持っておりませんが、契約後、あの〜、数値を、あのー、保証数値を明確にしていただくため、え〜、特約として結んだものというふうに、え〜考えております。

議員

経過をお話しします。 私、今年の1月26日だったと思うんですけれども、あの、前の部長さん等を交えて、このパイプテクターについて話し合いの場を作っていただきました。そしてその時に、いま仰った昨年2月6日の設置証明兼製品保証書っていうのがあるということがわかりまして、即、それをいただきました。開示請求。
で、この中には、この中には数値が書いていないんですよ。ところが、この事業者さんが出してくる色々な、説明書の中にはキチッと、あの〜、「一般社団法人日本冷凍空調工業会 冷凍空調機器用水質ガイドライン 冷水・温水の水質検査基準 鉄1mg/l以下」、こういう文言を何箇所かで出してきているんです。これを見た時、私は当然、ああ、この機械は1mgが、あの〜目標値なんだなと思いまして、その1月26日、あの〜部長さんに「そうですよね?」って確認しました。そうしましたらば「まあ、そうだ」というような、あの〜お返事をいただいたんですけれども、それをはっきりして下さいということで、強くお願いしまして、それで出てきたのが今おっしゃった、あの〜全鉄値14mgの半減、7mg/l以下とするという、これが今年の2月4日ですよ。おかしくないですか?

私がワーワー言って、それで初めて市はね、この「特約事項記述書」っていうの手に入れているんですよ。本来であれば、あの〜契約時に、昨年の、この2年2月6日に市は貰ってなければいけない、交わしてなければいけないんじゃないんですか。それで、こういうものをなくて、この数値がいくつが目標かというのを知らないで、教えてもらわない、教えてもらう努力もせずに、実験ばっかりして、やれいくつだ、やれいくつだって、高いの低いの、これものすごい変動しているんです。これ後出しジャンケンですよ。
後出しジャンケンです。あの、Waveに関して実験をしております。こまめに実験をしたらば、結構高い数値が出たんですよね。最初、設置前は14だったんですよ。ビフォアですね。それでこれを設置した、設置後3ヶ月には0.8になってます、カクンと下がったんですよ、それでその後,1.3, 1.0, 2.2, 0.9それで 5.9なんていう数字も出ているんです。それで1.8, 0.4っていうね。
ずっとこういう数字が動いている。それで、この数値をもらっている。出してもらっている時は、いくつを目標値としているかっていうのは、全く市側は疑問も抱いてなかった。
それで私がワンワン言って、何度も言いますが、今年の3年2月4日に出してきた、それでお伺いいたしますよ。
これは、これは、文化会館ではなくてWaveの話ですよね。Wave、あの〜というのは、設置前全鉄値が14mg出てるんですよ。それの半減を目標値とすると。
では、文化会館の方はいくつなんですか。文化会館はいくつが目標なんですか?

生涯学習部長

文化会館については、えー、導入を検討中でございまして、その辺については一切決めておりません。

議員

はい。あの、普通ね、これ科学の世界でね、決める決めないじゃないんですよ。
文化会館は正直言って4.5だったんですよ、ビフォア、設置前。この理屈からいけば半減が目的だと、そうすると4.5の半分、2.25ですか。そういうものがでてくるということですか? それで機械の性能が保証されるんですか?
こっちは7、こっちは2.いくつがっていうね、そういう原理になってしまうわけじゃないですか。

生涯学習部長

え、文化会館につきましては、実証実験で既に昨年の7月以降、え〜1mgを下回っております。従いまして、え〜、え〜、いま、あの議員のお話がありました、4.6gの半分を目標値とするというのは、目標値としては適切ではないという風に考えております。

議員

いやいや、この理屈を私は、言ったらそうなるんじゃないですかと言っているんですよ。
半減が目的だと、ビフォアの数字の半分になればいいんだっていうね。
当然いま「特約事項記述書」のことを、数値を上げられたんで。 ここに、6番目にこういうことを書いてありますよね。
「製品保証期間10年経過後の数値目標は全鉄値1mg以下とする」
というね。
10年経過後に1ミリになるんですか? それを目標とするというね。
ところが、こんな話ご存知ですよね。保証期間10年ですよ。
保証期間過ぎたのにね、どうなるかっていうのは必要ない。保証期間中にいくつの数値が必要なのかということを疑問に思っているわけです。
それで先ほど私が言いましたように、この事業所は市に提出している文書の中で、あの〜、公認されているものがあるということを何箇所かで書いてあるんですよ。それが1mg/lなんですよ。
ですから、この今回の特約記述書を読むまでは、は、当然、1が目標値だと思ってた。それでこの間のヒアリングの時も、あの〜、確認しましたよ。1が目標ですねったら、「そうだ」ということは仰ったんですけど、まあ、ちょっと今日、議会答弁が変わってしまいました。
それは私の十分想定の範囲内ですので。何を言いたいかというと、非常に後出しジャンケンでこういうものを出してくる。そういうものがどこまで信頼できるのかということを、あの。これは印象付けるのにとってもいい材料であっただろうと思います。
あとそれから、あの〜、市民プラザの方。非常に数値がこう変わりますね。
これは、安定性が全くない。ないという事と、
あとそれからもう1点お伺いいたします。
ビフォアは1回しか調査していないんですよ。
こんなにね、数値が変わるものは、機械を設置する前の検査も、もっと何度も何度もやっておかないと、客観的なデータとして、まあ4.5だ、あるいは文化会館Waveは14だっていう、それを信頼できないじゃないですか。
そういう意味では、科学の世界っていうのは何度も何度も、これでもかっていうぐらい検査検査をしてデータを作っていくのが常だと思うんですけれど、そういうことをしていないことについてどのようにお考えですか?

生涯学習部長

えー、検査につきましては一定の基準を持って行っておりますので問題ないと考えております。

議員

えーっと、要望いたします。えーっと。ぜひ、こういう、あの〜、後出しジャンケンで数値を出してくるようなところは信用してはいけないと思います。
あとそれから、大学と共同研究しているとか何とかというお話がありました。
これ通告してあります。いつそれは結果出るんですか? 通告してあります。
先方さんに聞いてくださいという事、お願いしてあります。通告してあります。

生涯学習部長

はい。えー、研究結果の発表等につきましては、現在確認を行なっているところでございます。

議員

通告の時にお願いしたんですよ。ヒアリングの時にお願いしているんですよ。
なんでそんなに時間かかるんですか?
だって、電話一本で聞けば済むことではないですか。いつ結果出るんですか、っていうことをね。
何で、いま確認、確認するまでもない。いつですっていうお答えをいただければいいんですけれど。
なんでそんなに時間がかかるんですか!?

生涯学習部長

あの、繰り返しになりますが、いま確認を行なっているところでございます。

議員

あの、非常に誠意がない。ちゃんとヒアリングに私は応じて一つ一つ、これ聞きますよ、これ聞きますよって。
それで今のに関しては先方に聞いといてくださいと。会社さんに聞いといてくださいということまで通告したはずです。
それが、あの〜、聞いておいていただけなかったというね。要するに、じゃあ、いつ聞いていただけますか? 今日聞いていただけますか?

内田市長

え〜、いま、あの〜、その〜研究結果の確認と言う事ですが、確認を行なっているという事で、え〜メーカーにも当然聞いておりますし、メーカーから聞いている大学の方にも問い合わせを行なって、その報告の方をこちらで待っているという状況でございます。
以上です。

議員

だから、その報告はいつ出るんですかっていうことを通告したんです。
それをだから先方に聞いてくださいと。

内田市長

だから!え〜、あの、こちらで状況を整理して、通告後にいろんな関係方面にヒアリングを行なって、向こうからの回答を待っているという状況でございます。

議員

いつ聞いていただけましたか?

議長

この質疑、質問に関しては、えー、一定の答弁が出ていると解釈いたしますので、 次に進んでいただきたいと思います。時間もないです。

議員

はいはい、わかりました。

契約書で効果保証されていない問題

今回の質疑は未公開の内部文章を前提としているため難解です。質疑をもとに経緯を表にしました

主な争点は「空調配管の赤錆の量」です。これは業界基準で1mg/l以下とされているため、活水器の設置後はこれを満たすことが当然と考えられます。
しかし、市はそもそも「数値目標」を定めずに契約していたことが今回の質疑で明らかにされました。
議員からの指摘を受けて、購入から1年も経過してから「特約事項」に数値目標を記載することは「後出しジャンケン」と評されても仕方ないでしょう。(本来なら購入前に定めておくべき)。

その目標値にも疑問を持たれています。
特約事項に書かれた"7mg/l"は業界基準1mg/lよりも高いにもかかわらず、その数値で配管が保たれるのかという説明がありません。
さらに、保証期間が終了した後にようやく「1mg/l」を満たすという記載です。保証されない期間に対して目標を設定することは無意味です。
これはすなわち「装置に効果があるかどうかは10年後にしか判断できない」「効果がなかったと判断されても何ら補償が得られない」という内容です。
市の物品契約としては著しく不適切であると考えます。